『日本の構造』を読んだ感想

統計データを基に、現在の日本について客観的に知れる本。データは政府系機関が出しているので信頼がおける。


毎日会社で働いていると、その会社のルールが日本社会であるかのように錯覚する。日本の多くの企業は雇用規制が強く、45%以上の人が10年以上同じ会社に勤めることを知った。仕事を辞めるのに抵抗があるとすれば、今の企業が日本の多くの企業と同様に、雇用規制を強める制度が充実しているからだろう。世界には長期雇用率が低く転職に抵抗がない国もあることを知り、少し気が楽になった。


日本人の仕事に対する価値観は多様化しており、仕事第一主義の人が減っている。一方、レジャーを楽しみたい人が増えていて、典型的な成熟社会に突入している。


ブータンは幸せな国」というのが幻想だったように、今現在の社会の共通認識が誤っている可能性も十分にあり得る。例えば、積立NISAはやるべきだとか、地球温暖化防止の為に2050年までに脱炭素化しようとか。


信頼のおけるデータを活用して正しく世の中を知ることは、目の前の現象に左右されて軽率な判断を避けるためにも大切だと思った。