『戦後民主主義』
【本書を読んだきっかけ】
街をブラブラしていた時、たまたま日本のことに詳しい人に会って話を聞いたときに、もっと日本のことを知らなければいけないと思ったことがきっかけ。
【どのような人が本書を読むとよいか】
・私と同じように日本のことを知っているようであまり知らない人
・戦後の日本の歴史を学びたい人 e.t.c.
【著者のプロフィール】
山本昭宏
1984年奈良県生まれ。2007年京都大学文学部卒。2012年京都大学大学院文学研究科現代文科学専攻二十世紀学専修博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員などを経て、神戸し外国語大学外国語学部准教授。
著書『核エネルギー言説の戦後史1945~1960』(人文書院、2012年)
『核と日本人』(中公新書、2015年)
『教養としての戦後〈平和論〉』(イーストプレス、2016年)
【本の構成】
第一章 敗戦・占領下の創造ー戦前への反発と戦争体験
第二章 浸透する「平和と民主主義」ー1952年~60年
第三章 守るべきか、壊すべきかー1960年~73年
第四章 基盤崩壊の予兆ー1973年~92年
第五章 限界から忘却へー1992年~2020年
終章 戦後民主主義は潰えたか
【本書の見どころ】
戦後の政治社会を記述するだけでなく、当時の文化・メディアを織り交ぜることによって、戦後民主主義に対する日本国民の考え方の変遷を理解しやすい点。
【最も印象に残った点】
日本国憲法はGHQがたったの8日間で作った草案をもとに作られて、創設以来一度も改正が行われていないこと。
マッカーサー三原則
【本書を読んでの感想】
日本は戦後から民主主義に対しての議論が絶えず行われてきたことがわかった。「改憲」というキーワードはニュースでよく聞くものの、内容については何も理解していなかった。
調べたところ、以下のことがわかった。
改憲派:憲法9条に「自衛隊」を明記すべき(正式な軍隊を持てるようにするため)
本書を一読しただけでは日本という国を体系的に理解することは難しいが、今まで興味を持たなかったことに少し興味を持つことができた。例えば、在日米軍が韓国に派遣されるため、日本国内の治安維持を行うために警察予備隊が創設されたことを知った。日本の自衛隊が創設されたきっかけとなったのは朝鮮戦争だったことに「へ~」と思った。
また、義務教育で教えられることはすべて国が決めていて、日本にとって都合の悪い事実は教えられないことに今更ながら気づいた。世の中を正しく知るためにも、引き続き様々な本を読むようにしたい。
『人工知能に哲学を教えたら』 岡本裕一朗
【本書を紹介する理由】
①本書を読んだきっかけ
書店をぶらぶらしていた時に、タイトルからして「面白そう!」と思ったので買いました。人工知能に哲学を教えたらどうなってしまうのか、当時の私は本書を読まずにはいられませんでした。
②本書をお勧めする理由
様々な思考実験を通して、仕事において欠かせない「考える力」を養うことができます。沢山の知識を持っていても、それを活用しなければ意味がないですよね!(私は仕事中考える力が乏しいので、本書を通して考える力を付けたいと思って読みました。)
【著者のプロフィール】
岡本裕一朗
1954年、福岡生まれ。哲学・倫理学者・玉川大学教授。九州大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。九州大学文学部助手を経て、現職。
著書
『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社)
『フランス現代思想史ー構造主義からデリダ以後へ』(中公新書)
『思考実験ー世界と哲学をつなぐ75問』(ちくま新書)
【本の構成と読みやすさ】
①本書の構成としては以下のようになっています。
(1)AIは倫理を学びうるか?(AIvs正義)
(2)AIは何を知りうるか?(AIvs脳)
(3)AIは芸術を評価・制作できるか?(AIvs芸術家)
(4)AIの幸福とは何か?(AIvs恋愛)
(5)AIは人間の仕事を奪うのか?(AIvs労働者)
(6)AIにとって宗教は可能か?(AIvs宗教)
(7)AIは人類を破滅へと導くのか?(AIvs遺伝子)
②読みやすさとしては、読書レベル中級~上級の方向けです。順番は気にせず興味のある内容から読み進められるのが本書のいい所だと思います。
【本書の実用性】
はっきり言えば、仕事に直接活かせるような内容ではありません。しかし、仕事上で「考える」ことは皆さん当たり前のようにやっていますよね。本書では約30個の思考実験を体験することによって、自然と考える力が身に付きます。さらに、人工知能や哲学についての「教養」を養うことができます。
【本書の見どころ】
①トロッコ問題と自動運転についての思考実験
~トロッコ問題~
たまたま路面電車の傍を散歩していた人が、ブレーキの利かなくなった電車に遭遇した。その電車の前方には、5人の作業員がいてこのままでは轢かれてしまう。その時、散歩中の人の近くには進路を変えるスイッチがあり、それを引くと電車は右へ曲がる。ところが、右の線路の先には一人の作業員がいるので、右に曲がると一人を轢いてしまう。
上記のトロッコ問題が解決しなければ、自動運転はデビューできないと力説する人もいるくらいです。皆さんはどう考えますか?
②雇用を奪うのは人工知能ではなく、経営者
~人工知能以上に優秀でしかも費用が安い従業員~
ある会社で、人工知能を導入すべきか、経営会議で議題となった。賛成派の意見として、仕事内容から見て、今までの従業員が行ってきた業務をより安価でこなし、導入費と維持費を考えても、経済効率は人工知能が上だということになった。しかし、ここで有力な反対意見が出た。それによるともっと安い給料で海外から優秀な人材を採用でき、その能力たるや、人工知能以上であることがわかったのだ。この時、次のどれを選択すべきか?
①今までの従業員 ②人工知能 ③人工知能以上の能力をもつ新たな従業員
ここからわかるのは、根本的な対立が「人工知能vs人間」ではないということです。人工知能を導入するのはあくまでも経営者の判断ですよね。
③人間と人工知能の幸福の違い
~幼児のように退行した聡明な人物~
聡明な人物が脳に損傷を受けて満ち足りた幼児のような精神状態に退行してしまった、と想定しよう。彼に残っているような欲求はどれも保護者によって満たしてもらえるので、彼には何の悩みもない。彼自身は当然にも自分の置かれた状況に嫌悪感を持っていない。彼の状況は、年齢と体の大きさを除けば、彼が生後3か月の赤ん坊だった時の状況と同じなのである。さて、こうした状況にあるこの人物は幸福なのだろうか?
哲学者であるトマス・ネーゲルによれば、このような状況は彼自身にとって重大な不幸であるとみなされるという。
その理由は、彼が脳の損傷を受けたことで、望んだはずの欲求やその実現ができないことにある。何もなかったならば、聡明な思考ができたにもかかわらず、その能力が失われ、発揮できなくなっているところに彼の不幸はあるのです。
つまり、幸福が成り立つためには、欲求が実現できるかどうか、自分の力が発揮できるかどうかにかかっている、と言えます。
私はこの文章を読んで「確かにな」と納得しました。現在の仕事において幸せと感じることがないのは、自分の力が発揮できていないからだと思います。皆さんは、仕事において幸福を感じられていますか?
【本書の最も大切な3点】
①「人工知能に仕事を奪われてしまう!」という漠然とした危機感に対して冷静になることができる。
②約30個の思考実験を通して読者の思考力が鍛えられる。
③人工知能や哲学に関しての教養を養うことができる。
個人的に一番印象に残った部分は、2章で紹介されていた母親が子供に犬を教えることの難しさ(直示的定義の難しさ)です。母親が子供に対して「あれがワンワンだよ」と教えたところ、子供は犬の後ろにあったプロパンガスのことを「ワンワン」だと認識してしまったという内容です。私は仕事で初めて教わることに対して、誤って認識してしますことが多々あります。それは、直示的定義の難しさからきているのかもしれません。直示的定義の難しさを乗り越えて正しく認識するためにも、復唱して正しくとらえられているのかを確認することが大切だと思います。今後は復唱を改めて意識して、誤認を防ごうと思います。
努力とは
正しい努力とは何か。本を読んで勉強すること?資格を取ること?筋トレをして体力をつけること?
社会人になって、何にエネルギーを注げばいいのか迷走している。高校時代はサッカー一筋だったから、夜は一人で学校に行ってボールをひたすら蹴っていた。サッカーが上達するように四六時中考えていた。正しい努力だったかどうかはわからないけど、熱中していた。今の自分は何にも熱中しているものがない。毎日がむなしいし、早く人生が終わってほしいとさえ考えることもある。
今日は仕事終わりに雨が降っていた。傘を持っていなかったので、会社の近くのミスドに寄って振り返りと読書をした。最近は『サピエンス全史』を読んでいる。人類の長い歴史に比べたら、24年しか生きていない自分の悩みなんて大したことないって思わせてくれる本。この社会は人間が想像した虚構でできている。
話が逸れたけど、要は今の自分は何かに熱中しているわけでもなく、何かを達成するために努力しているわけでもなく、目標もなくもがいている感じがする。それは今に始まったわけではなく、大学生の時から変わっていない。30歳になっても悶々としている気なのだろうか。
なんでこんなことしか思い浮かばないのだろうか。今日も中身のないブログになってしまった。もっと面白いブログにしていきたい。
life and week ties "人生と弱いつながり"
朝起きて気が付いたことがある。私には気軽に話せる友人や仲間がいないことだ。誰かと一緒にいる時よりも一人でいる方が気楽でいいが、ごく稀に孤独を感じることがある。学生時代は学校に行けば友達がいたが、今は会社に行っても友達はいない。将来について語り合える友達は尚更いない。
最近は仕事について考えることが多くなってきた。このまま今の仕事を続けていて大丈夫なのか、漠然とした不安がある。
『WORK SHIFT』では、仕事の世界で必要な三種類の資本について述べられている。
第一の資本は知的資本である。未来の世界では、広く浅い知識を持つのではなく、いくつかの専門技能を連続的に習得していく必要がある。
第二の資本は人間関係資本である。私たちは孤独に競争するのではなく、ほかの人たちとつながりあってイノベーションを成し遂げることを目指す姿勢に転換する必要がある。
第三の資本は情緒的資本である。一人一人が自分を見つめなおし、どのような職業生活を送りたいのかを真剣に考えて選択する必要がある。
今週は弱いつながりを築くために、何か新しい場所に飛び込んでみようと思う。
『群衆心理』を読んだ感想
会社の中にいる自分と、一人でいる時の自分とが異なる理由を知りたくて読んだ。本書によれば、単に大勢の中にいるだけで不可抗的な力を感ずるようになり、本能のままに任せるようになるという。また、人間は指導者に服従すること本能的に望んでいるという。これは以前読んだ『自由からの逃走』を想起した。
客観的に振り返ると、私は自分で考えることができてなく、その環境の正解を自分の行動原理に当てはめている。従順で波風は立てないけど、自分の意思で行動しているわけではない。つまり日和見主義、事なかれ主義、思考停止…。もし仮に自分の命が脅かされるような状況に置かれた時に、自分を守ることはできないだろう。
これを群衆心理のせいにするのは簡単だが、群衆の中でも自分の意見を主張できるようになれば、望んでいるキャリアを実感できるだろう。これは当面の課題になりそうだが、弱点だと認識して対策を練り行動していきたい。
『日本の構造』を読んだ感想
統計データを基に、現在の日本について客観的に知れる本。データは政府系機関が出しているので信頼がおける。
毎日会社で働いていると、その会社のルールが日本社会であるかのように錯覚する。日本の多くの企業は雇用規制が強く、45%以上の人が10年以上同じ会社に勤めることを知った。仕事を辞めるのに抵抗があるとすれば、今の企業が日本の多くの企業と同様に、雇用規制を強める制度が充実しているからだろう。世界には長期雇用率が低く転職に抵抗がない国もあることを知り、少し気が楽になった。
日本人の仕事に対する価値観は多様化しており、仕事第一主義の人が減っている。一方、レジャーを楽しみたい人が増えていて、典型的な成熟社会に突入している。
「ブータンは幸せな国」というのが幻想だったように、今現在の社会の共通認識が誤っている可能性も十分にあり得る。例えば、積立NISAはやるべきだとか、地球温暖化防止の為に2050年までに脱炭素化しようとか。
信頼のおけるデータを活用して正しく世の中を知ることは、目の前の現象に左右されて軽率な判断を避けるためにも大切だと思った。
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昨日で社会人2年目になった。1年目は特によかったこともなく、思い出したくないようなことばかりだった。
仕事については、入社当初のやる気はどこかに消え、組織の人間関係や他人との比較に疲弊している。最近はフットサルをして気分転換をしているけど、根本的な解決策にはなっていない。
大学4年の時に読んだ『利己的な遺伝子』が心の支えになっている。私たちの体は利己的な遺伝子が後世に子孫を残すための箱に過ぎず、生存のための戦略的な行動をとっているという考え方。他者から良い評価を得ることや、他者との良い人間関係を築くことへの欲求は、すべて私たちの中に存在する利己的な遺伝子の仕業なのかもしれない。
今日はどんな一日になるのだろうか。